こんにちは。
薬剤師ブロガー中川(@nakagawahitoshi)です。
最近は持ってることが多いんじゃないでしょうか。お薬手帳。
お父さん、お母さんはお子さんの分もありますよね。
はっきり言ってなんでこんなめんどくさいの毎回持ってこなきゃならないの(# ゚Д゚)って感じですよね。
そのお薬手帳がスマホにデータを入れて管理できるようになったら使ってみたいと思いませんか?
すごく簡単に楽ちんに正確な情報が残せる……はずなのですが、そうでもなかったようです。
目次
電子お薬手帳とは
電子お薬手帳というものがあります。
薬局で「お薬手帳お持ちですか?」っていつも聞かれますでしょ?
ちょっとした小さいノートみたいものに薬の内容を貼っておくやつです。
毎回同じ薬をもらっていても手帳がないとほかの薬局や医院ではわかりません。
お子さんの場合は体重が変わったりする場合もあります。
こういった何を飲んでいるか、飲み合わせは大丈夫か、どんなふうに薬を飲んできたか、みたいなことを医療機関のほうで確認するためにも必要なんですわ。
「なんか血圧の薬、弱いやつ」って言われても何百種類もあるのです。
なのでお薬手帳はぜひとも受診時は持ってきてもらいたいのですが、紙の手帳の内容をスマホで管理しましょうというのが電子お薬手帳です。
電子お薬手帳だとこんなに便利
お薬手帳の内容がスマホに入ってしまうとこういう便利なことがいろいろあります。
- スマホはいつも持ち歩くので忘れない。
- わざわざ紙のお薬手帳を持ってこなくてよいのでめんどくさくない。
- いろんなところで手帳をもらってしまって重複してしまうことがない。
- 紙は痛むけどデジタル情報は劣化しない。
- 電子お薬手帳システムを置いている薬局では日本全国どこでも情報が見れる。(日本薬剤師会が管理しているサーバーがあるためe薬Linkというシステムに対応していればどのアプリを使っても情報を保存したり見ることができます)
電子お薬手帳は便利なはずだったが誰も使ってない?
自分がいた薬局では患者さんが高齢の方ばかりだったせいか「電子お薬手帳」やってますか?って聞かれたのは1回だけです。あんまり周りの薬局でも電子お薬手帳システム導入してますって話も聞きませんしねえ。
普及についてはこちらの資料によると112万人が使っているとのことです。医療機関にかかった人全体の約13%の人が使っていますが、人口比としては1%くらいと。
全然普及してるって感じじゃないんですよね。どうしてなんでしょうね。
誰も使ってないように見える理由を探ってみます。
電子お薬手帳のアプリがありすぎてよくわからない
スマホにお薬手帳の内容を入れるためにアプリを入れる必要があります。
この電子お薬手帳アプリの数がものすごく多いんですよ。
全部で30くらいあるようです。
まずここでどれを入れたらいいのか普通は迷うはず。
- どれでも同じなのか?
- 違うの入れるとデータが消えちゃうとかないか?
- いつも行ってる薬局で使えるのかどうか?
おススメの電子お薬手帳アプリは上記のeお薬link(日本薬剤師会の薬情報サーバー)対応のアプリです。
- 大阪e-お薬手帳
- 日薬e-お薬手帳
- お薬手帳プラス:ドコモのアプリなのでドコモのdアカウントの登録をする必要があります。ドコモの携帯でなくても使用できますがちょっとめんどくさいですね。
- ファルモお薬手帳
- サンキリチェッタ
- hoppe(ホッペ)
- お薬手帳Link
- アインお薬手帳
- クオールおくすり手帳2.0
- あんしんおくすり手帳
- V・drugお薬手帳
- クリエイト薬局処方せん送信・お薬手帳
- ココカラファイン電子お薬手帳
- あけぼの薬局グループおくすり手帳
- ヘルスケア手帳
- ルナルナお薬手帳
- CARADAお薬手帳
- CARADA
- classA電子お薬手帳
- ポケットファーマシー
- アイ・ノート
- お薬手帳玉手箱
- EPARKお薬手帳
- harmo(ハルモ)
- 健康管理システム「もりもり」
- 電子お薬手帳システムForFineMEdical
- 歯科向けお薬手帳システムFor optech
- マツモトキヨシお薬手帳
- マイアピス
- おくすり日記プラス
- おくすりPASS(2018年1月より)
ただこの中でもどれがおすすめというのはありません。
試しにいろいろ使ってみたんですが、残念ながらどれも同じように使いにくいんです。
そういう意味ではどれ使っても同じにはなるかもしれません。
電子お薬手帳を使えるところが少なく、使い方もめんどくさい
そもそも電子お薬手帳が使える薬局が今のところ多くありません。
たまたまかかりつけの薬局が電子お薬手帳システムにしていればそこの薬局で勧められたアプリを使ってください。
アプリが入らないとか設定できないなどの余計なトラブルは防ぐことができるでしょう
e薬linkサーバーにデータを送って、ほかの薬局でも薬の内容照会などをするためにはアプリを入れた後に設定が必要です。
この設定もできれば薬局でやってもらったほうがいいですね。
電子お薬手帳を使うならかかりつけ薬局でよく聞いてから
結論としてはこんな感じでしょうか。
こんなめんどくさいものおススメする気にはなりませんでした。
- 設定や操作がとてもめんどくさいのでわからなければかかりつけ薬局で相談を。
- 対応システムがない薬局からの薬をどうしても電子お薬手帳で管理したい場合はアプリに薬の内容を手入力する必要があります。
電子お薬手帳システムを導入している薬局が少ないのでかかりつけ薬局がたまたま導入していれば使えるかも、くらいです。
それにアプリがもっとカンタンに誰でもすぐ使えるようになるといいんですけど。
電子お薬手帳が世に出始めてからもう2年くらいは立つはずです。
それでこの使いづらさとかどうなってんでしょう。
今回記事を書くためにいろいろ調べていてもなんだかがっかりするような結果ばかりでした。
国や薬剤師会はほんとに電子お薬手帳を普及させるつもりあるのかなーと思ってしまいます。
自分がいた薬局で使ってみていたことがないので本当はとても使いやすくていいシステムなのかもしれません。
もうちょっと勉強してみます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
薬局薬剤師です。
県の薬剤師会主導で薬局に電子お薬手帳を導入していますが、
くそめんどくさいです(失礼!)。
薬局側の1意見として、
まず、忙しい中、使い方わからないと来る患者さんの対応、
すぐにバージョンアップして新しい機能をいれるので、
薬局側でも使い方が分からなくなる。
今までできていたこともできなくなって、過去のデータが見えなくなる。
電子機器なので不調があって使えないときがある。
使い方も
(アナログだが)単純明快にスマホの画面を薬局に見せる形に統一すればよいが、
現実は、薬局専用のIpadなどで確認できるようなシステムになっているものもあり、
電子お薬手帳で使い方が異なるのも大変ストレス。
一番手帳管理が必要な年配の方に
「スマホで管理しろ」、「このアプリ(電子手帳)はQRコードを読ませて管理しろ」、
無理でしょう。
「服薬時間になったらアラームが鳴る機能があって飲み忘れ防止します」
→使っている人を見たことなし。無駄な機能。設定ができない年配の方多い。
そもそも設定しようとする意識がある方は服薬はしっかりされている。
劇的な状況がかわらないと、使い勝手のわるいアプリでしかない。
どうなることやら…、どちらかというと患者を囲い込むアプリとして利用する薬局があって、
患者の為ではなく、薬局経営の為の電子手帳のような側面もある。
うちは面倒なんで、電子手帳を介しての患者さんへの薬局からの案内メール送ったりはしないけどね。
先生どう思われますか?
コメントありがとうございます。
やっぱり実際に使う/使っていただくのは大変ですよね……
サービス開始から少し経っているため、さすがに少しは使いやすくなっているだろうと思って調べてみましたが驚きの煩雑さと使いにくさでした。
私も患者さんの囲い込みという面があると思います。普及もしばらくかかりそうですね。
日薬がもうちょっとイニシアチブとってアプリのUIや機能の統一をしてくれるとよかったんですが。
ただこういった情報をITの力で一元管理できるのはきちんと機能すればものすごく患者さんや医療従事者の助けになるはず。
なのでこれからの進化には期待しています。
早く使いやすいシステムになるといいですけどねー(;^ω^)