こんにちは。
小児科での薬局経験が10年以上ある薬剤師ブロガーの中川(@nakagawahitoshi)です。
子どもって突然熱出しますよね。
朝は元気に登園したのにお昼前に保育園から呼び出しなんてよくあります。
そういうときの対応マニュアル作っときましょう。
薬剤師がおすすめする子どもの夏風邪対応マニュアルをまとめておきます。
目次
子どもの夏風邪対応マニュアル:子どもは突然体調をくずす
子どもは急に体調崩します。
保育園や幼稚園に行っているならなおさら!
園から電話かかってきてお迎えに行くことになります。
子供の夏風邪対応:夏風邪とは
夏にはやる風邪があります。
冬場の風邪とウイルスの種類がちょっと違うので特徴的な症状が出ることが多いのです。
- ヘルパンギーナ:急な発熱。38度以上出ることが多いです。のどが痛い。
- 手足口病:手のひらや足、口の中などに発疹が出ます。口の中がいたくなることも。発熱もすることがあります。
- プール熱(咽頭結膜熱):高熱が5日くらい続くことも。結膜炎も一緒に出ることもあります。
熱さましなどで様子をみつつ自力で治るのを待つ感じです。
ただし、これだけではありません。ほかの感染症の場合もあります。
- 溶連菌:のどが腫れて痛みます。発熱があることも。舌がイチゴ状になることもあります。ウイルス感染ではないので抗生剤(ばい菌をやっつける薬)がよく効きます。
- RSウイルス:高熱と咳や鼻の症状があることが多いです。ぜんそく持ちの子は咳や気管支の状態も悪化しやすいので注意。夏場はあまりはやらないことが多いのですが2017年8月は流行がありました。
- インフルエンザ:まれに夏にもかかることがあります。私の住んでいる沖縄は夏も流行することがあります。だいたい抗インフルエンザウイルス薬(タミフルやイナビル、リレンザ)が出されることが多いですね。
子供の夏風邪対応:園から電話がかかってきた時のフローチャート
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- 経口補水液:オーエスワン、アクアライトORS、ポカリスエットなど
- 冷却ジェルパッド:冷えピタ、熱さまシートなど
- お薬服用ゼリー:お薬飲めたねなど
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- 保険証
- お薬手帳
- 乳児医療証
- 必要なら母子手帳
- お子さんが羽織れるもの、小さいタオルケットなど
こういったものをまとめて「受診セット」としていつでも持ち出せるところに置いておくようにするとスムーズです。
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あとはこういう子どもの不調時に家族がどう立ち回るかということをあらかじめ相談しておけるとベストです。
子供の夏風邪対応:おうちに帰ってからのすごし方
風邪ひいちゃったのでしょうがありません。とにかくお子さんがゆっくり休めるように環境を整えてあげましょう。
脱水に注意を!
熱もあって食事もとれない、食欲もないだと子どもたちは脱水になりがちです。
脱水になってしまっただけでなかった熱が上がってきたりすることもあります。食べられなくても水分補給は積極的、意識的に。
ポカリは溶かして飲むタイプのほうが長持ちしますし場所も取りません。非常用に置いておくのはいいと思います。
でも下痢や嘔吐があったり、ほんとに何も摂れない時は経口補水液のほうがいいです。
オーエスワンやアクアライトORSのような経口補水液はポカリスエットよりも塩分濃度が高く糖分は控えめで、下痢や嘔吐があるときには吸収が良いのです。
薬ではないのですが1日に飲める最大量が年齢や体重によって決まっています。
また、飲ませ方も一気にがぶがぶ飲ませないようにしてください。
スプーン1杯ずつでよいので少しずつ回数を多くしましょう。
こういった経口補水液はポカリスエットなどの清涼飲料水よりは賞味期限が短いので買い置きはあまりおすすめしません。その都度買ったほうがいいと思います。
ORSではない普通のアクアライトはポカリスエットの仲間です。お風呂上りとか運動後に汗をかいたとき、普段元気な時ののどが渇いたときに適した飲み物です。
冷却ジェル(冷えピタ、熱さまシートなど)はあまり効果がない
熱があるときには冷えピタのような冷却ジェルシートはあまりおすすめしません。
これはジェルに含まれる水分やアルコールが蒸発する際に冷える働きを利用したものです。
体温そのものを下げる働きはありません。
また特に小さいお子さんに使う場合に絶対にやってはいけないことがあります。
寝ていて寝がえりをうったりしているうちに鼻と口をふさいでしまい窒息してしまった事故が起きています。
体温を下げるためには保冷材や水枕の方が適しています。
冷却ジェルについては別に記事を書いています。
⇒子どもの発熱に冷却シートを使ってはいけない3つの理由
食事
食欲がなければ1~2日くらいなら水分補給さえきちんとしておけば無理に食べなくても大丈夫です。
ある程度元気が出てきたらこういったものを中心の食事で様子を見てあげてください。
- 消化が良く食べやすいもの:おかゆ、うどんなどは食べやすいはず。
- 味付けはうすめ、刺激の少ないもの:手足口病だと口に刺激があると食べにくいはず。辛いもの、酸味のあるものなどは避けましょう。
アイスクリームやゼリーなどはひんやりして口当たりもいいので食べ過ぎなければいいんじゃないでしょうか。
薬の飲ませ方
熱さましや痰切りなどの薬を処方されるかもしれません。
医師や薬剤師の指示通りに飲みましょう。自己判断での調節は指示がない限りはやめましょうね。
上手に薬を飲ませるためにはこちらの記事を参考にしてください。
お薬服用ゼリーはいろいろありますね。
味のバリエーションがあるのでお子さんの好きな味を選ぶことができます。
苦みのある薬は「チョコ味」で少しほろ苦い方が飲みやすく感じることが多いみたいです。でもチョコ味のゼリーってちょっと高いですね。
意外と知らない方が多いんですが、こういうもとからゼリータイプの服用ゼリーには薬を混ぜこんではいけません。
- 服用ゼリーをスプーンなどに置きます。
- その上に薬をのせます。
- その上にさらに服用ゼリーを盛ります。
- その服用ゼリーのサンドイッチをそのままつるんと飲みこみます。
ぐるぐる薬を混ぜてしまうと結局薬の苦い味のゼリーになってしまうので飲みにくくなってしまいます。
こういった粉末を溶かしてゼリーにするタイプは中性で苦い薬のコーティングを溶かしにくいのです。
なので薬を混ぜ混んでも大丈夫です。もとからゼリータイプの服用ゼリーとは違いますね。
子供の夏風邪対応:家族へうつるのを防ぐ
ご兄弟がいたりするとうつらないようにするのは苦労しますよね。
ご家族がお子さんの夏風邪をもらってしまわないように予防しておきましょう。
うがい、手洗い、マスク
冬のときの風邪と同じですね。うがい、手洗い、マスクは有効です。
- うがい:とくにうがい薬を使う必要はありません。普通の水道水で十分です。どうしても気になるようなら塩水で。イソジンはつい予防で使いたくなりますが、効果が強すぎてのどの粘膜を痛めます。風邪を予防する効果はありません。
- 手洗い:食事を作る前や嘔吐したもの、下痢のおむつなどを扱った後は必ず手をきれいにしておきましょう。正しい洗い方はこちら。
動画1分46秒です。一度通してみておいてください。
ハンドソープでの手洗いにはかないませんが、夏風邪3兄弟ウイルスはアルコール消毒も効果があります。
またアルコール消毒が効かないとされるノロウイルスなどにも、こういった酸性アルコールの消毒液は効果的です。
- マスク:その辺で売ってる使い捨てマスクで十分です。子ども用の小さめマスクも買っておきましょう
タオル共有禁止、トイレ清潔に
手洗いと同じ理由で手洗い後のタオルは共用にしないほうがよいでしょう。
タオルにウイルスがついてしまうとそこからみんなに広がっていきます。
トイレもおなか壊していたりするようなら使った後清潔にしておくようにしてください。その後手の消毒も忘れずに。
子供の夏風邪対策しっかりと
お子さんが風邪をひいてしまったときのまとめでした。
でも一番いいのは風邪をひかないことがいいに決まってます。
- よく寝る
- しっかり食べる
- 冷やしすぎない
などで夏風邪をもらってこないようにしましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。